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Posted by 滋賀咲くブログ at

2007年07月06日

坪単価の秘密

「坪○○万円から家が建てられます!」とか
「今なら坪○○万円で買えます!」とか

住まいの価格の目安として、テレビやチラシで表示されている坪単価。

この坪単価ってどういうものでしょうか?

家の1坪あたりの値段でしょ!?
とおっしゃる方が殆どですよね・・・・。

じゃあ、

家の値段ってどんなものまで含むのか
家の広さはどの範囲まで含んで考えるのか


ご存知でしょうか?

実はこの坪単価の表示方法って、何も決まりがないんですよね。

家には、まず骨組みとなる柱や壁、屋根、窓、ドアなどの本体工事の費用、あと、電気や水道、ガスなどの付帯設備工事の費用、工事中に必要な足場や仮設トイレなど現場で必要な費用など
いろいろな種類の費用が必要になってきます。

安い坪単価には、そのなかで、本当に基本的な本体工事費用しか含まれていないケースが多いです。それだけではすぐに生活なんてできないような状態での価格です。

また、何を標準仕様として価格設定をしているか。

外壁材やクロスが好みのものでなかったりして、変更するとオプションとして別に費用がかかったりします。

よくあるのが、コンセント。
標準仕様では各部屋に2箇所。
やっぱりリビングやキッチンにはもっとほしいと思うとそれもオプション。
聞くところによると、コンセント1個追加するだけで、私たちには考えられない費用が設定されているケースもあるようですkao11

それに加えて、全体の価格を坪単価に割り算するときの広さの範囲。

これも建築確認申請に出したりするときの計算の延床面積と同じではありません。
法的な話でいくと、バルコニー部分(大きさによって含まれる場合もありますが)や吹き抜け部分、玄関ポーチ部分などは延床面積に含まれません。

いわゆる施工面積と呼ばれる部分に含まれます。
この面積も含めて計算しているケース、含めないで計算しているケースいろいろです。
割り算の分母が違うわけですから、同じ建物でも坪単価表示でいうと違う価格になります。

確かにこういった部分にも費用はかかります。
でも通常の床面積部分と同じだけの費用がかかるものでもないように思います。

このように坪単価表示には何も決まりがないので、考えようによって、いくらでも安く表示することが可能なのです。

坪単価表示に対して、その表示の根拠を細かくしっかり聞いて、明確な返事がない場合は信用しないことです。

目先の安さだけに注目すると失敗します。
坪単価表示だけで大切な住まいづくりを決めるのはとても危険なような気がします。

できたら、一度坪単価に対する意識を捨てて、きっちり仕様やプランを決め、面積も確認し、以前に紹介したような図面をきっちり作成し、それに基づいて詳細な見積りをしてもらうことがいちばんです。

あらゆる面で納得してから契約することが大切ですよ。  
タグ :コスト


Posted by ようこせんせい at 15:27Comments(0)ようこせんせい

2007年06月30日

暑さ寒さとつきあう知恵

夏の蒸し暑さや強い日射し、冬の寒さなどに、どう対応するか?

軒の出、土壁の効用、風の通り道づくり、緑化・・など、自然に対して閉じるのでなく、自然をうまくとりこんで暮らす知恵や工夫がたくさんあるはず!

ということで、
「職人がつくる木の家ネット」で、全国の会員から寄せられた「暑さ寒さとつきあう知恵」をとても上手に読みやすい形でまとめられています。

いろんな地域のつくり手の生の声を聞いてみるのもおもしろいと思いますよ。
何か生かせる知恵があるかもしれません・・・・・

よかったら、一度ご覧になってみてください。  


Posted by ようこせんせい at 12:40Comments(2)ようこせんせい

2007年06月26日

床下に炭はいい?

昨日も今日も なんか、ジメジメして蒸し暑いですね。

こんな時期になると、気になるのが住まいの湿気。
部屋の中や押入れの湿気に気を配られる方は多いはず。
では、床下はいかがでしょうか・・・・・

床下は家の耐久性に大きく影響するので大事な部分です。

時々、床下が湿気で困っている方が、炭を敷いたらいいときいたんだけど、どうですか?
と聞かれることがあります。

確かに炭は調湿効果はあります。
湿気が多いときには湿気を吸い、乾燥してくると吸っている湿気をすこしずつ吐き出します。

湿気を吸って吐き出す・・・・

ここがポイントです。


この吐き出すことがないと次に吸うことができないんですよね。

私たちも息を吸って、吸って、吸って・・・では生きていけません。
吸ったら吐くということで生きていけます。

炭も湿気を吸ったままならどうなるか・・・・
湿気たままなのですから、やはり、カビが生えて増えていきます。

困るほど湿気ている床下というのは、乾く要素がほとんどないという状況です。
そんな中に炭を敷いても、敷いたときは確かに湿度は下がりますが、
乾く状況がなくそのままなら、

床下はカビだらけ!

とうことになりかねません。

床下の炭を全部取り出して、時々お日様にあてて乾かさない限り・・・・・

炭が湿気を吸える量がどれくらいあるか とか、床下の湿度の高さなど状況によって違いはあるとは思いますが、

都合のよいところだけ捉えて安心していると、とんでもないことになります。


どんなことでもそうですが、
どうしてそうなるのか。
そうならないときがどんなときか。
そういうときはどうすればいいか。
それは自分でできることか。

など、しっかり考えて使っていかないと、かえって住まいの寿命を縮めることをしてしまうことになります。

炭もお安くありません。
住まいの床下全部に敷くとなると、かなりの額になるはず。
それが無駄にならないように考えてから行動しましょうね。

そんなに人の都合にいい万能な材料はないと思います。  


Posted by ようこせんせい at 17:51Comments(2)ようこせんせい

2007年06月15日

監理と管理 何が違う?

設計の仕事をして、いざ現場が始まると、設計者は監理の仕事をします。
監理の仕事をしますと言うと、よく現場監督さんの仕事と間違えられます。

現場で、

現場監督さんがやる仕事は、 「現場管理」

設計者がやる仕事は、 「工事監理」


です。

何が違うか・・・・
まず、字が違うicon10icon10

字が違うということは、当然意味も違うiconN36

「現場管理」とは、

工程(工事が進む予定)が遅れないように
作業の進行状況を見つつ、
職人さんや資材の発注など段取りを調整していきます。

また、近隣への迷惑に配慮し、
職人さんの安全や資材の管理にも気を配ります。

「工事監理」とは、

設計した建物が正確に図面どおりに施工されているか確認したり、
現場で発生した問題点を解決したりします。
施主のかわりにプロの目でチェックすることで、施工ミスを防いだり、
住まい手とつくり手の行き違いがないように(トラブルを防ぐ)注意します。

「現場管理」は、大きな会社だと現場監督の仕事専門にやるという立場の人がいますが、
小さな工務店であれば、大工棟梁が責任を持って行うことが多いです。

管理と監理はまったく違う仕事であり、基本的には別々の立場の人(施工者と設計者)が行うことが好ましいと思います。

設計施工を行う工務店では、監理は自主監理ということになります。
自主監理となると、よほどしっかりとした考えを持っていないと、どうしても甘くなりがちな気もします。


施工者はつくり手の立場で
設計者は住まい手の立場で
お互いがしっかり取り組むことでいい住まいができるのではないでしょうか・・・・

  
タグ :設計施工


Posted by ようこせんせい at 23:59Comments(0)ようこせんせい

2007年06月06日

設計期間

昨日は、工期のお話で、今日は設計期間のお話。

昨日のブログで、設計期間は半年くらい見ておいた方がいいよって言いました。
それを読んで長い!って思われた方も多いのではないでしょうか。

実はそうでもないんですよ



設計期間では、何をするのか。

まずは住まいを建てる場所の調査をします。

  敷地の形状や周辺の環境、行政で決められている条件(法律や条例)、生活に必要なガスや水
  道などの引き込み状況などなど・・・・・地盤調査なんかもしますね。

そして、住まい手とじっくりお話

  住まいに対しての希望や考え方を具体的に聞いていきます。
  家族それぞれの趣味や生活サイクルなども聞いたり・・・・・
  その希望をもとに基本的なプラン(間取りや外観)を考えます。
  そして、それをもとにまたお話を聞いて・・・・手直しをして・・・と納得できるまで繰り返します。
  この期間を基本設計期間と言います。

  この期間がとても大事!なんです。

  いろんなことが自由に考えられて、それでもっていろいろ整理されて、希望の住まいに近づいてい
  くんです。

そして、基本的なプランが決まったら、実施設計をしていきます。
  
  前にお話したように、正確で適正な見積りをしてもらい、住まい手の希望に沿った工事をしてもらう
  ために細かなところまで表現した図面を30枚くらい作成します。

さらに作成した図面で見積りをしてもらって、出てきた見積りをチェックします。
  
  見積りをしてもらう方法はいくつかありますが、それについてはまた今度。
  おおざっぱな見積りでは何がいくらかがよくわかりません。
  きっちり値段を出してもらうためには、ある程度の時間も必要です。
  またそれをチェックする時間も大切。あとでトラブルにならないようにするために・・・・

そしてそして、設計内容も金額もOKとなったら、契約。
  
  工事にかかる前に建築確認申請も出して確認許可をもらわなければなりません。

やっとここからが工事期間に・・・・

フーーーー

意外といろいろあるでしょ?
半年っていうのも納得していただけました?

納得できるいい住まいを建てるためには、時間も労力も本当に必要です。
やり直しが効かない住まいづくりです。
かける費用も並大抵ではありません。

食べ物や服を買うように
「衝動買いして失敗しちゃったアー」とか
「すすめられてなんとなく決めちゃった」なんて言う訳にはいかないですもんね。

    


Posted by ようこせんせい at 10:45Comments(0)ようこせんせい