2008年06月16日

4022ガル

岩手・宮城内陸地震の状況が徐々に伝わってきます。

地震の規模に対して、建築物の被害が小さいのが少し驚きです。
逆に、山の地すべりの大きさも驚きのひとつです。

今朝の新聞記事やテレビニュースで報じられていましたが、最大加速度は4022ガルが記録されたそうです。
阪神大震災の時の最大化速度が1000ガル弱だったように思いますが、驚きの数字ですね。

物が落下するときの加速度が約980ガル。その4倍の加速度です。

昔の建築物の設計基準は200ガルの加速度に対し、損傷(倒壊ではない)がないようにという基準でした。
地震の活動期に当たるのかもしれませんが、予想しなかった数値が続々と現れてきます。

私たちの対応策としてはどのようにしたらよいのでしょうか。

法律や制度に頼らず、自分でできる限りのことを行なうことが大事ですね。
耐震診断を行い、その数値の低さに耐震改修をあきらめる人も多くありますが、それは間違いです。

地震があってもすべての建物が倒壊するわけではありません。
また、倒壊しなかった建物はすべて耐震基準を充分満たしていたわけでもありません。
ほんの少しの違いで倒壊するかどうかが分かれる可能性もあります。

耐震診断をし、その判定の数値が0.3であって、数値を一応安全である1.0までするのに多大なお金がかかる。
そんなお金が無いので、改修はしないでおこうという方が多いのですが、自分の可能な費用の中で少しでも手をかける。
0.3が0.4になるだけで、人命が救われるかどうかの境目になる可能性もあるのです。

いつも言っているように、法律や制度が国民を守ってくれるわけではありません。
耐震診断の数値が1.0以上であれば、確実に大丈夫だと言うわけではありません。

法律や制度は一つの目安に過ぎないのです。

日本の国民は法律依存症であると言われています。
これも技術者の能力が低いからかもしれません。


タグ :地震対策

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