2007年09月02日
建物の値段
建物の値段については、今までも何回か書かれてきました。
住まいの小学校は、住まい手の方にさまざまな情報がマスコミを通じて流れる中で、本当の情報を知ってほしくて始められたものです。
ですから業界の方には叱られるかもしれませんが、とことんの話をしてみましょう。
まず、安さを売り物にしている住宅業者さん。坪単価が25万からとか35万とか、私たちが建てる建物よりもかなり安い。半分近くですね。
少し前にこういった会社の社長さんと少しお話しましたが、荒利は3割もあるそうです。
お金儲けのためにやっておられるのですから当たり前かもしれませんが、驚きです。
私たちが建てている大工さんの請負費用は倍近くになることもあるのですが、下手をすると赤字になることもあるようです。不思議と言うしかありません。
でも、安さを売り物にしている業者さんは、ほとんど丸投げですから、まず自分の利益を確保してから下請けに出す。ですからお客さんさえ捕まえることが出来れば、確実に儲かるようです。
ただ、安い住まいが悪かろうというのは、昔の話で、最近ではそれなりに造られています。
100均の商品のようなものですね。
化学物質は使っているけれど、フォースター認定は取れている。少しは問題もあるかもしれないけれど許容範囲内。
柱は腐りやすいホワイトウッドの集成材を使っているけれど、健康に問題のないとされている防腐材をつかっているので、25年ぐらいの耐用年数内なら大丈夫。
それよりも、お客さんの好みの住宅設備はまとめ買いをするのでむしろ良い商品を提供することができる。
こういった住まいをお得だと考える人もあって当たり前です。
ただ、ただでも安い価格の住まいをさらに安く下請けに出して造る住まいに不安はあるのは当然ですので、そのあたりを理解して購入しなければなりません。
近くの業者さんに、不動産屋さんやハウスメーカーの下請けばかりをしておられる建設会社があります。
その社長さんは飲み屋で儲かってしょうがないといっておられるそうです。
不動産屋の下請け価格は、高くても坪単価は35万ぐらい。安いときは30万ぐらいもあると思うのですが、それでも儲かってしょうがない。
どういうことでしょうね。
その建設会社も職人さんは下請けを使っています。
職人さんはたいそう絞られていると思いますが、少なくとも良い仕事は出来ないでしょうね。
叱られない最低限の仕事を目指すのだと思います。
不動産系の住宅会社と建物を契約するときは、建物の坪単価の考え方を少し変えなければなりません。
一般的に坪単価で50万以上で契約すると思うのですが、実は土地で設けられない分が建物価格に乗っかっていると思わなければなりません。
先ほども書いたように、下請けに丸投げされるときには坪単価で20万ぐらい抜かれているということです。
ですから、地場の工務店に頼んだときに坪50万でできる家と同じと考えてはいけないのです。
土地不足の中で土地を提供する分が、土地代として添加されずに、建物代とごちゃ混ぜになっているのです。
難しいかもしれませんが、それも考慮して、建物の良し悪しを見なければなりません。
建物の中味によって坪単価が変わるのは当たり前ですが、発注の形態によっても実は違いがあるのです。建物に見かけ上払う価格が同じであっても、本当に建物そのものに純粋に費用がかけられているのかどうかは、冷静に考えればわかります。
大手のハウスメーカーも同じですね。
営業マンの費用、宣伝広告の費用、会社の経費などを引いた費用が住まいの本体にかけられる費用なのですが、それも考慮した上で、得したか損したかを考えなければなりません。
私は設計事務所をしていますが、同じような建物を建てる場合で、同じ工務店に依頼して建てる場合でも坪単価が同じでも違いがあります。
坪65万で工務店に依頼したとしても、設計事務所が設計や監理をしている場合は、その分工務店の経費は少なくて済みます。設計はもちろん住まい手の方々との打ち合わせをほとんど設計事務所が行なうわけです。
一方、工務店が設計も施工も一式で請け負った場合は、その費用の中で設計だけでなく、さまざまな打ち合わせなども行なわなければならないので、請負費用の一部をその経費に当てなければなりませんので、坪65万がすべて建築本体に当てられるわけではないのです。
設計費を別に払っているから当たり前の話なのですが、工務店に頼むときにその違いを感じないこともあります。
以上書いたことはほんの一部ですが、建物にかかる費用は非常に判断が難しいです。
やはり普通に考えて、高いものは高いだけのことはあり、安いものは安いだけのことがあると考えてよいと思います。
ただ、安い建物は大量発注や下請け業者の協力(泣かされ)などにより、価格差ほどの差があるかといえばそれほどでもないといえるかもしれません。
100均の商品が、値段ほど悪いと感じないのと同じですよね。
逆に高い建物はどうでしょう。
高い建物の評価は非常に難しいものがあります。
その良さは、時間が経って始めてわかるもの。
その良さはお金では量りにくいもの。
その良さはすべての人が同じように感じるものではないこと。
その良さがなんとなく感じられるが説明が簡単には出来ないものであること。
いろいろな事柄が絡み合って良さが感じられるということになります。
私たちのしている設計という作業も同じです。
この家、なんとなくいいねえと感じてもらえるための仕事が私たちの仕事なのですが、それを設計の良さによるものと感じてもらえるか。丁寧な仕事をほめていただける工務店さんがうらやましく思えることもよくあります。
長々書きましたが、いかがでしょうか。
少なくとも、超低価格。坪○○万で家が建つとか。
そういったキャッチをそのまま鵜呑みにすることだけはやめたほうが良いですよ。
住まいの小学校は、住まい手の方にさまざまな情報がマスコミを通じて流れる中で、本当の情報を知ってほしくて始められたものです。
ですから業界の方には叱られるかもしれませんが、とことんの話をしてみましょう。
まず、安さを売り物にしている住宅業者さん。坪単価が25万からとか35万とか、私たちが建てる建物よりもかなり安い。半分近くですね。
少し前にこういった会社の社長さんと少しお話しましたが、荒利は3割もあるそうです。
お金儲けのためにやっておられるのですから当たり前かもしれませんが、驚きです。
私たちが建てている大工さんの請負費用は倍近くになることもあるのですが、下手をすると赤字になることもあるようです。不思議と言うしかありません。
でも、安さを売り物にしている業者さんは、ほとんど丸投げですから、まず自分の利益を確保してから下請けに出す。ですからお客さんさえ捕まえることが出来れば、確実に儲かるようです。
ただ、安い住まいが悪かろうというのは、昔の話で、最近ではそれなりに造られています。
100均の商品のようなものですね。
化学物質は使っているけれど、フォースター認定は取れている。少しは問題もあるかもしれないけれど許容範囲内。
柱は腐りやすいホワイトウッドの集成材を使っているけれど、健康に問題のないとされている防腐材をつかっているので、25年ぐらいの耐用年数内なら大丈夫。
それよりも、お客さんの好みの住宅設備はまとめ買いをするのでむしろ良い商品を提供することができる。
こういった住まいをお得だと考える人もあって当たり前です。
ただ、ただでも安い価格の住まいをさらに安く下請けに出して造る住まいに不安はあるのは当然ですので、そのあたりを理解して購入しなければなりません。
近くの業者さんに、不動産屋さんやハウスメーカーの下請けばかりをしておられる建設会社があります。
その社長さんは飲み屋で儲かってしょうがないといっておられるそうです。
不動産屋の下請け価格は、高くても坪単価は35万ぐらい。安いときは30万ぐらいもあると思うのですが、それでも儲かってしょうがない。
どういうことでしょうね。
その建設会社も職人さんは下請けを使っています。
職人さんはたいそう絞られていると思いますが、少なくとも良い仕事は出来ないでしょうね。
叱られない最低限の仕事を目指すのだと思います。
不動産系の住宅会社と建物を契約するときは、建物の坪単価の考え方を少し変えなければなりません。
一般的に坪単価で50万以上で契約すると思うのですが、実は土地で設けられない分が建物価格に乗っかっていると思わなければなりません。
先ほども書いたように、下請けに丸投げされるときには坪単価で20万ぐらい抜かれているということです。
ですから、地場の工務店に頼んだときに坪50万でできる家と同じと考えてはいけないのです。
土地不足の中で土地を提供する分が、土地代として添加されずに、建物代とごちゃ混ぜになっているのです。
難しいかもしれませんが、それも考慮して、建物の良し悪しを見なければなりません。
建物の中味によって坪単価が変わるのは当たり前ですが、発注の形態によっても実は違いがあるのです。建物に見かけ上払う価格が同じであっても、本当に建物そのものに純粋に費用がかけられているのかどうかは、冷静に考えればわかります。
大手のハウスメーカーも同じですね。
営業マンの費用、宣伝広告の費用、会社の経費などを引いた費用が住まいの本体にかけられる費用なのですが、それも考慮した上で、得したか損したかを考えなければなりません。
私は設計事務所をしていますが、同じような建物を建てる場合で、同じ工務店に依頼して建てる場合でも坪単価が同じでも違いがあります。
坪65万で工務店に依頼したとしても、設計事務所が設計や監理をしている場合は、その分工務店の経費は少なくて済みます。設計はもちろん住まい手の方々との打ち合わせをほとんど設計事務所が行なうわけです。
一方、工務店が設計も施工も一式で請け負った場合は、その費用の中で設計だけでなく、さまざまな打ち合わせなども行なわなければならないので、請負費用の一部をその経費に当てなければなりませんので、坪65万がすべて建築本体に当てられるわけではないのです。
設計費を別に払っているから当たり前の話なのですが、工務店に頼むときにその違いを感じないこともあります。
以上書いたことはほんの一部ですが、建物にかかる費用は非常に判断が難しいです。
やはり普通に考えて、高いものは高いだけのことはあり、安いものは安いだけのことがあると考えてよいと思います。
ただ、安い建物は大量発注や下請け業者の協力(泣かされ)などにより、価格差ほどの差があるかといえばそれほどでもないといえるかもしれません。
100均の商品が、値段ほど悪いと感じないのと同じですよね。
逆に高い建物はどうでしょう。
高い建物の評価は非常に難しいものがあります。
その良さは、時間が経って始めてわかるもの。
その良さはお金では量りにくいもの。
その良さはすべての人が同じように感じるものではないこと。
その良さがなんとなく感じられるが説明が簡単には出来ないものであること。
いろいろな事柄が絡み合って良さが感じられるということになります。
私たちのしている設計という作業も同じです。
この家、なんとなくいいねえと感じてもらえるための仕事が私たちの仕事なのですが、それを設計の良さによるものと感じてもらえるか。丁寧な仕事をほめていただける工務店さんがうらやましく思えることもよくあります。
長々書きましたが、いかがでしょうか。
少なくとも、超低価格。坪○○万で家が建つとか。
そういったキャッチをそのまま鵜呑みにすることだけはやめたほうが良いですよ。
Posted by みなわい at 21:57│Comments(0)
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